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今年で22年目になる看護師です。端から見ると「ベテラン」ということになるのでしょうか?院内の若手の指導や関連の看護師養成施設で臨時講師をしたりすることもありますが、私自身まだまだ発展途上と思っていて、日々勉強をしています。そんな立場から自分の勉強と若い看護師へのアドバイスを兼ねて、普段あまり言えないこともまとめてみました。
看護師は、「診療の補助」として、医師の指示があれば、注射や点滴、採血などの医療行為を行うことが認められています。注射にはさまざまな種類があり、そのほとんどの場合、看護師が行うことができますが、医師にのみ認められている注射もありますので、基礎知識として修得しておく必要があります
医師の指示があれば看護師が行うことのできる注射の種類は、皮内注射、皮下注射、筋肉注射、静脈内注射、点滴静脈注射、そして、採血です。
・皮内注射……皮膚のすぐ下(表皮と真皮の間の皮内)に打つ注射のことで、ツベルクリン反応や、アレルギー反応、薬物過敏などの疾病診断、ワクチン接種などの予防のために用いられることが多くあります。
・皮下注射……皮下組織(皮膚と筋肉の間)の中に薬液を注入する注射方法で、薬剤の経口的(口からの投薬など)な投与が不可能な場合や,早い効果を期待するときなどに用いられます。
・筋肉内注射……筋肉内に薬液を注入する注射方法で、「筋肉注射」とも呼ばれています。上腕部(二の腕部分)や大腿部(太もも部分)、臀部(お尻部分)などの筋肉内に打つことが多く、皮下注射よりも有効成分は吸収されやすく、インフルエンザなどの各種予防接種などに用いられることが多くあります。
・静脈内注射……直接静脈内に薬液または栄養液などを注入する注射で、薬液が血行を介してスピーディーに全身にいきわたります。皮下注射や筋肉注射が不適当な場合などに用いられ、早急に確実な効果を望むときに打たれる方法です。「静脈注射」とも呼ばれています。
・点滴静脈注射……ボトルやバッグに入っている薬剤を吊るし、静脈内に留置した注射針から少量(一滴ずつ)投与するものを指します。経静脈投与の一種で、たんに「点滴」とも呼ばれています。
・採血……輸血や血液検査などのために、主に静脈から血液をとることを指します。
特徴としては、看護師が医師の指示のもと、行うことのできる注射は、静脈注射に限られ、動脈注射を行う場合は、必ず医師が行います。これは、動脈に非常に強い圧力で血液が流れていることによります。動脈に注射を行う場合、大量出血などの危険性があるのです。
病院内で看護師がこれらの注射を行なうことは、珍しいことではありません。しかし、これらの処置は、必ず「医師の指示」のもとに行わなければいけません。どんなにベテラン看護師であっても、その勝手な判断で行うことができるわけではないのです。