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今年で22年目になる看護師です。端から見ると「ベテラン」ということになるのでしょうか?院内の若手の指導や関連の看護師養成施設で臨時講師をしたりすることもありますが、私自身まだまだ発展途上と思っていて、日々勉強をしています。そんな立場から自分の勉強と若い看護師へのアドバイスを兼ねて、普段あまり言えないこともまとめてみました。
看護学校を卒業して、新人看護師として注射の扱いから患者様のメンタルケアまで一生懸命働き、ようやく一人前の看護師になったら、次にどうキャリアアップするかを考える必要があります。看護師は国家資格で、いつの時代でも需要の高い職業です。女性が一生続けられる仕事でしょう。これからの長い看護師人生を考えたとき、今後どのようにキャリアップしていくのか、どのような道を進んでいくのか、とても大切な問題といえるでしょう。
看護師の役職のうち、「主任」は10年程度のキャリアをもつ看護師が就くことのできる役職で、看護師としてキャリアップを目指す場合の第一歩となるのが、この「主任」という役職になります。主任になると役職手当がつき、給料面でも優遇されることになります。
主任看護師は、一般の企業でいうと係長クラスで、看護師長の補佐をする、中間管理職となります。他の看護師たちと通常の業務をこなしながら、看護師たちをまとめ、同時に看護師長を補佐するという、難しい立場の仕事となります。とくに、病棟全体を管理し、看護師長には見えない部分の、看護師たちの状況や、さまざまな声に耳を傾け、その中から問題点に気付いて、看護師長に報告し、改善策を考え、働きやすい方向へと導く、それが主任の重要な役割となるのです。
また一方で、看護師長や経営者側の意向などを聞かされた場合などには、その内容を理解し、現場の看護師たちにその意向を伝え、実施させなければいけません。そのため、医療現場で働く看護師としての役割を果たしながら、役職としての立場を自覚し、経営側や医師など立場の違う人たちの考え方も理解できる広い視野とバランス感覚をもつことを求められます。また、看護師として患者だけでなくその家族とも直接かかわることで、その人たちの声に耳を傾け、看護活動に必要な改善点なども知ることができます。このように、主任看護師は、役職のある立場でありながら、現場で働く看護師にもっとも近い存在なのです。
主任看護師になる人は、現場で一緒に働く看護師の一人として、他の看護師が仕事をしやすいように、人間関係や環境など、さまざまな角度から観察し、意見を吸い上げ、活かしていくことができる人物でないといけません。看護師をしている人たちの多くは、キャリアップを重視するのではなく、自分の看護師としてのスキルをアップさせようと考えています。しかし、個人のスキルアップも大切ですが、もっと広い視野に立って、積極的にキャリアップを考えるのも、看護師としての成長と考えられるでしょう。